ある日教え示して言われた。 仏法の教えをたずね、あるいは修行の方法をたずねる人があったら、禅僧は、必ず真実のことをもって、これに答えるべきである。そうでなく、相手の理解力の弱さを顧慮したり、相手が初心者で素養もない場合に…
さらに表示 一ノ八 人法門を問ふカテゴリー: 正法眼蔵
正法眼蔵(しょうぼうげんぞう 正法眼藏)は、禅僧が執筆した仏教思想書である。正法眼蔵という言葉は、本来は仏法の端的な、すなわち肝心要の事柄を意味する。
一ノ七 海中に龍門といふ処あり
教え示して言われた。 海中に龍門というところがある。浪がしきりに立つところである。諸々の魚が、この波のところを通り過ぎると、必ず龍となる。そこで、龍門というのである。さて、話というのはこうだ。この龍門というところ、浪も他…
さらに表示 一ノ七 海中に龍門といふ処あり一ノ六 学道の人は後日をまつて、行道せんと思うことなかれ
photo credit: llee_wu 教えを示していわれた。 仏道を学ぶものは、後日まって修行しようと考えてはならぬ。ただ、今日ただいまの時を空しく過ごすことなく、毎日毎日、毎時毎時、つとめはげまなくてはならぬ。こ…
さらに表示 一ノ六 学道の人は後日をまつて、行道せんと思うことなかれ一ノ五 古人いはく、聞くべし、見るべし
ある日、教えを示していわれた。 古人は次のようにいっている、「聞くがよい。見るがよい」と。また、次のようにいっている「経験したことがないなら、見るがよい。見た事がないなら、聞くがよい。」と。そのいう意味は、「聞くよりは見…
さらに表示 一ノ五 古人いはく、聞くべし、見るべし一ノ四 学道の人、衣食に労することなかれ
いろいろはなされたついでに、教えていわれた。 仏道を学ぶ者は、衣食のことを心配するな。 わが国は、インド、中国のような文化の中央から、遠くはなれた小国ではあるけれど、昔も今も、顕教や密教において有名となり後の世までも名を…
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