2009年11月アーカイブ

仕事がら、WEBサイトでどのくらいのビジネスチャンスがあるのかが日ごろから気になる。
例えば、【1億PV/月】のWEBサイトとはどのようなサイトであり、どのようなビジネス収益を上げているのかを考えてみたい。そこで、今回は2つのサイトのビジネス収益について考えてみたい。
【参考サイト】
  1. 食べログ
  2. ITメディア

それぞのWEB媒体力、収益力について研究していこう。

1.PV数の比較
【客観的なPV数比較(Alexaによる)】
Aleksa-1.jpg【09年3月期決算資料にみる公表月間PV数】
  • 食べログ・・・1億1076万PV (2008年12月実績)
  • ITメディア・・・1億203万PV (2009年3月実績)

とともに1億PV/月のWEBメディアとなっている。

2.収益比較
収益も同決算資料から見てみると、
  • 食べログ(2008年12月実績)
【売上】17億7800万円『営業利益率:38.4%』(2008年4月-12月実績)(※広告項目の収益のみ)
    (※価格コム全体では、69億2400万円)
【利益】価格コム全体、26億4400万円(2008年4月-12月実績)

  • ITメディア(2009年3月期実績)
【売上】30億7900万円 (2009年3月期実績)
【利益】-5100万円

ほぼ同じ、PV数を誇るサイトだが、収益性を考えると格段の差がある。
これは、何が起因するのか?WEBビジネスをするにあたり、これは非常に興味深いため、より深く研究を試みたい。

価格コムのIRサイト
ITメディアのIRサイト
アイスタイルのIRサイト

私は、『メディア企業』に所属をしている。

 以前は、企業でメディアを利用する側であったが、『WEB』というものに可能性を感じれば感じるほど、『マスメディア』と言われた、旧媒体とWEB媒体という新しい媒体の出現による広告産業の構造変革に興味を持ち、この業界が入った。

 ただ、『WEB』の可能性という観点では、こと『収益』という観点で考えた場合どこまで可能性があるのかは正直以前ほど、可能性を感じていない。その辺の心境を踏まえて広告業が今後どのように展開していくのかを考えてみたい。

媒体の効果指標とその価格
媒体 効果指標 価格帯(参考値)
新聞 発行部数 段単価:数十万円
TV 視聴率 スポット単価:数万~数十万円
WEB PV数(or CVR)など 1imp:数円など

上表のようにもの凄い乱暴な切り口で言うとこのように整理されるのではないか?

 これまでは、電波や新聞というある意味で保護された中でビジネスを運営できたが、その『保護』自体が、誰でも情報発信のできる『WEB』の出現により根底から広告ビジネスが崩されているのが現状である。

 また、WEBの指標の『PV数』というテレビの『視聴率』なみに評価が曖昧な指標に甘んじてしまっているのも現在のWEB広告の難点かもしれない。大手の WEB媒体のバナー価格は、TVなどに勝る価格になっているが、それが本当にTV広告の効果に勝るものなのか?甚だ、疑問に思う部分がある。

 新聞であっても、発行部数や1人当たりのページ閲覧数の平均を調査すれば、PV的な数値が努力すれば出るのではないか?広告で評価が難しいのは、媒体ごとの統一した評価基準が無いことなのかもしれない。もし、仮に広告の評価基準が一定になるのであれば、本当の意味での『媒体価値』は算定でき、価格もおのづと決まってくるのではないか?

 やれ、新聞広告が高い、効果ない、視聴率が低いからという声は、広告評価基準が媒体間で一定であればそれは、明確な媒体価値として紐付けられるはずである。そのような基準にたてば、新聞広告が高くないかもしれないし、WEB広告が安すぎるのかもしれない。

 もっと言えば、『媒体力』とはなんぞやと問えば、これまでは『集客力』だったかもしれない。ただ、今後クライアントに真に求められることは『費用対効果』のはずである。『費用対効果』の前で、『媒体力=集客力』という指標は、もしかしたら何の意味も持たない確率論になっていくのではないか?

実際に強いブランドを作るのにはどうしたらよいのでしょうか?
少し前に話題になった本に、「あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか」があります。この本は世界中からシェアアップを果たした1000を超すブランドの事例を集め分析された本です。
ここでは、消費者の購買動機を大きく5つに分類し、消費者の購買動機を28種類に分析してあります。
 5つの購買動機とブランド戦略のねらい
   便益:消費者の「認識上の便益」を作り出す
   規範:消費者の「規範意識」に訴える
   認識:その商品を認識する枠組みを変える
   アイデンティティ:その商品により消費者が自己表現できるようにする
   感情:消費者に愛される
さらにこれらの購買動機に対応した戦術を合計28個紹介しています。あくまで演繹的ですから、理論を要約して紹介することができません。法則の名前とごく簡単な内容を羅列しておきます。

<ブランド強化の理論28条>
brand.jpg

「あのブランドばかり、なぜ選んでしまうのか」東洋経済新報社より抜粋

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