人間は平素、常に耳には聞きづらい忠言を聞き、常に心には思い通りにならぬことがあって、それでこそ徳に進み行いを修めるための砥石となる。(これとは反対に)、もしどの言葉も耳を喜ばせ、すべてのことが心を満足させるようであっては…
さらに表示 前集5 耳中、常に耳に逆らうの言を聞きカテゴリー: 菜根譚
前集4 勢利紛華は
権勢名利や豪華華美の類に、近づかないように心がけるものは潔白な人である。然しそれに近づいても、その悪習に感染しない者こそ、最も潔白な人物である。権謀術数のたぐいを、全く知らない者は高尚な人である。然しそれを知っていても、…
さらに表示 前集4 勢利紛華は前集3 君子の心事は、
君子の心栄えは、青天白日のように公明正大にして、常に人にわからないところがないようにさせねばならない。然し才智の方は、珠玉のように大切に包み隠して、常に人にわかりやすいようにしてはならない。(その心事が明白ではいと陰険だ…
さらに表示 前集3 君子の心事は、前集2 世を渉ること浅ければ
処世の経験がまだ浅いと、世俗の悪習に染まることもまた浅いが、経験が深くなるにつれて、世の中のからくりに通じることもまた深くなる。それ故に、君子たる者は、世事に練達になるよりは、むしろ飾り気がなく気が利かない方がよい。そし…
さらに表示 前集2 世を渉ること浅ければ前集1 道徳に棲守する者は
人生に処して、真理をすみかとして守り抜く者は、往々、一時的に不遇で寂しい境遇に陥ることがある。(これに反し)権勢におもねりへつらう者は、一時的には栄達するが、結局は、永遠に寂しくいたましい。達人は、常に世俗を超えて真実な…
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