カテゴリー: 菜根譚

（人情は翻覆常なく愛情は忽ちに変ずる。）恩情の厚いときに、昔から、ややもすれば思わぬ災害を生じることが多い。それ故に、恩情が厚くて得意な境遇のときに、早く反省して後々の覚悟をしておくがよい。また、物事は失敗した後に、かえ…

さらに表示 前集１０　恩裡に由来害を生ず

夜が更けて人々が寝静まった時、独り坐して事故の本心を観察すると、次第に諸々の妄念が消滅して、自性清浄の真心だけが現れてくるのを覚える。このような折に、しばしば応用自在な心のはたらきを体得することができる。かくしてすでに真…

さらに表示 前集９　夜深く人静まれるとき

天地はまったく寂然としていて動かないが、その間にも天地のはたらきは、休むことなく止まることもない。また、日月は昼夜、たゆみなく運行しているが、しかも日月の正しく明らかなことは、永遠に変わることはない。それゆえに君子は、ひ…

さらに表示 前集８　天地は寂然として動かずして

濃い酒や肥えた肉、辛いものや甘いものなど、すべて濃厚な味の類は、ほんものの味ではない。本物の味というものは、（水や空気のように）ただ淡白な味のものである。（これと同じく）、神妙不可思議で奇異な才能を発揮する人は、至人では…

さらに表示 前集７　醸肥辛苦は真味にあらず

暴風豪雨の日には、非常の小鳥までも憂え恐れて悲しげである。（これに反して）、天気晴朗で穏やかな風の日には、草木も生き生きとして喜んでいるようである。してみると、天地には一日たりとも和気がなければならない。（これと同じく）…

さらに表示 前集６　疾風怒雨には