ひとかどの人物となるには、格別なにも高遠な事業をなさずとも、めいりの俗念さえ払い落とすことができれば、そでもう名士のなかま入りである。また、学問をするに当たっては、格別なにも学識を増やす工夫をしなくても、外物によって心が煩わされることさえ、へらし除くことができれば、それでもう成人の境地にまで超え到ったものである。
無想・無念・無住
ひとかどの人物となるには、格別なにも高遠な事業をなさずとも、めいりの俗念さえ払い落とすことができれば、そでもう名士のなかま入りである。また、学問をするに当たっては、格別なにも学識を増やす工夫をしなくても、外物によって心が煩わされることさえ、へらし除くことができれば、それでもう成人の境地にまで超え到ったものである。