3-3.効率性分析(回転率、回転期間)

効率性分析とは、資本の使用効率の分析であり、資本回転率をはじめとする各種の回転率を分析する。

資本回転率は、少ない資本で多くの売上高が獲得されていれば回転率は高くなり、資本の使用効率性が良いと判断される。

回転期間は、投下資本の回収期間を示し、月数ベースの回転数期間と日数ベースの回転期間がある。

 1.効率性分析の意義と体系

総資本回転率=売上高/資本 ⇒ 回転率が低い ⇒ 個別資産の回転率を分析して低い要因を探す。

2.効率性分析(回転率)

①総資本回転率(総資産回転率)(回)=売上高/総資本

【意義】総資本(総資産)をどの程度効率的に使って売上高を獲得しているかを表す。

②経営資本回転率(回)=売上高/経営資本 ※経営資本=流動資産+固定資産−投資その他資産

【意義】経営資本をどの程度効率的に使って売上高を獲得しているかを表す。

③売上債権回転率(回)=売上高/売上債権 ※貸倒引当金を売上債権から控除しない。

【意義】売上債権の効率性を図る指標。売上債権の回収状況も表す。この値が高い程、回収状況が良好。

④棚卸資産回転率(回)=売上高/棚卸資産

【意義】棚卸資産の効率性を測る指標。この指標が高い程、棚卸資産の消化速度が早い。在庫管理適性。

⑤有形固定資産回転率(回)=売上高/有形固定資産

【意義】機械設備などの有形固定資産の効率性を測る指標。この指標が高ければ、機械設備の稼働率が高く、有効と判断。

⑥その他回転率

●買入債務回転率(回)=当期商品仕入高/買入債務  ※買入債務=支払手形+買掛金

【意義】負債の回転率、買入債務の支払速度を測る指標。高ければ、仕入代金の支払が速い事を意味する。

⑦回転期間

これ迄見て来た、回転率を逆数にすれば回転期間になる。回転期間は、各資産(買入債務)の回収期間を月、日といった時間単位で把握する指標になる。

●売上債権回転期間(日)=(受取手形+売掛金)/1日当たりの平均売上高=365(日)/売上債権回転率

【意義】売上債権を回収するのに要する日数(または月数)指標であり、短い方が望ましい。

●棚卸資産回転期間(月)=棚卸資産/1ヶ月当たりの平均売上高=12/棚卸資産回転率

【意義】棚卸資産が在庫として企業内に滞留している日数(月数)を示す指標。短い方が望ましい。

●買入債務回転期間(月)=(支払手形+買掛金)/1ヶ月当たりの平均仕入高=12(月)/買入債務回転率

【意義】買入債務を実際に支払うまでの日数(月数)を表す指標。この期間が短いと速く現金として支払うことを意味する。

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