ANN より、2008年第3四半期の米国の新聞社の広告収益に関する資料が発表されました。
(出典:ANN『Advertising Expenditures』より)
第3四半期単独でも、
【Total Print】(新聞広告収益)⇒約20%減
【Total Online】(WEB広告収益)⇒3%減
と非常に恐ろしい状況となっている。これは、現状の『不景気』による一時的なものなのか、それとも『マス広告』の明らかな衰退を意味するのでしょうか?
日本の新聞社も、多かれ少なかれこの状況と同様の状況に置かれてしまうのではないだろうか?新聞社として生き残って行くためには、どのような事を模索する必要があるのか?このような疑問に対して、『News Corpのマードック氏のコメント』がありました。
(以下、マードック氏のコメントを引用させていただきます。)
「かつては、何がニュースで、何がそうではないかを判断できるのは一握りの編集者だけで、彼らは一種の神のように振る舞っていた。彼らが記事を掲載すれば、それがニュースになり、彼らが出来事を無視すれば、その出来事はそもそも起こらなかったことになる。今では、編集者はこのような力を失いつつある。たとえば、インターネットでは、編集者が無視したかもしれない出来事に関する多くの情報源にアクセスできる。そして、それに満足できなければ、自分のブログを立ち上げて、自分でそのニュースを取り上げ、コメントすることができる。ジャーナリストは、自身は番人であると思いがちだが、一般の人々が彼らに説明を求めても、必ずしもきちんと対応してきたとは限らない」(Murdoch氏)
時代が変わり、多くの媒体の役割も変わっていく中で、記事を書く当事者たちの意識を変えていく必要があるのではないでしょうか?
(更に、マードック氏コメント引用)
「新聞が読者に信頼できるニュースを提供できれば」今でも発行部数を伸ばすことができると述べた。また、RSSフィードやターゲットメールなどの最新技術を取り入れる必要があると付け加えた。Murdoch氏によれば、課題は、「新聞のブランドを使いながら、読者が自分でニュースを選び、好きな方法で配信してもらえるようにする」ことだという。
「新聞、あるいは非常に近い存在である電子新聞は、これからも存在し続けるだろう。現在のように、玄関先に投げられることはないかもしれない。しかし、届いたときの音は今後も社会や世界中にこだまし続けるだろう」(Murdoch氏)
サービスの形を変え、生活者に情報や情報取得方法を選択させることができる新聞社が、この先も生き残っていけるのではないでしょうか?『新聞』にスポットを当てましたが、全ての紙媒体やマスメディアにも同様のことが言えるのではないでしょうか?